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Column 303

2025/02/18 18:00

ぎんなん食中毒

文化

日本

食べ物

 銀杏(ぎんなん)はイチョウの種子で、夏から秋にかけて黄色く熟します。街路樹としてイチョウが植えられている歩道付近では独特のにおいに悩まされることもしばしばです。この銀杏の、硬い殻の中にある部分はデンプン・カロチン・ビタミンCなどを含む栄養価の高い食品ですが、食べ過ぎると嘔吐やけいれんなどの中毒症状がでることがあります。

銀杏の毒性は古くから知られていましたが、その有毒成分が解明されたのは1980年代に入ってからです1)。銀杏の有毒成分である4ʼ-O-メチルピリドキシンはビタミンB6と構造が似ており、ビタミンB6の補酵素型であるピリドキサールリン酸の欠乏症を起こすことが主な原因と考えられています。

4ʼ-O-メチルピリドキシンは熱に強く、煮る・焼くなどの加熱調理をしても消失しません。4ʼ-O-メチルピリドキシンによりピリドキサールリン酸が欠乏すると、脳内の抑制性神経伝達物質であるγ―アミノ酪酸 (GABA)が生成されず、その結果、神経系の異常興奮(けいれん)が起こると考えられています。

銀杏食中毒は、10月から12月の銀杏が出回る旬の時期が多く、5歳以下の子どもが70%近くを占めます。  
日本中毒情報センターからは、6~7個食べてけいれんが出現した5歳以下の小児の例が報告されています。小さな子どもには食べさせないようにするのが大切です。

大人でもビタミンB6欠乏状態にある人では、飲酒などの際に銀杏を多量に摂取すると、中毒症状が出る可能性は充分あります。このようにイチョウの種子である銀杏には注意するべき有毒作用がありますが、イチョウは秋を彩る演出の代表です。

金色の ちひさき鳥のかたちして 銀杏ちるなり 夕日の岡に  与謝野晶子

晩秋のかがやく光景が浮かびますね。

引用・参考文献

1)https://www.j-poison-ic.jp/report/ginkgo202309/

この記事を書いた人

野崎 雅裕
野崎 雅裕野崎ウイメンズクリニック 院長
福岡市天神の産婦人科、野崎ウイメンズクリニックの院長。女性医学の専門医として、九州大学病院などにおいて、思春期から更年期女性のホルモン療法や不妊治療、漢方療法、月経痛や女性のこころとからだの悩みに関する医療に長年従事。ホルモン療法やピルの使い方、月経痛の対処法や月経移動の説明にも精通した熟練スタッフとともに、すべての患者様へあたたかいケアを行っている。
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