Column 265
2024/05/28 18:00
オックスフォード英語辞典に日本語由来の英語を登録する段階になり、世界諸英語担当の主任編集者から選定を依頼された東京外語大学の教授らが選定を行い「おにぎり」が追加されたそうです。オックスフォード英語辞典は世界で最も権威のある英語辞典です1)。初版は1928年に出版され、見出し語25万、用例200万を収録しており、世界の辞書編纂にも大きな影響を与えている辞書です。
これまでにも、スシ、カラオケ、マンガ、ボンサイなど、海外でそのまま通じる日本語は多いのですが、なんと言っても有名な日本語は「ツナミ」ではないでしょうか。1946年にハワイで大津波が発生し、その際に日系移民が「ツナミ」という言葉を多用したことに始まり、1968年に海洋学者であるウイリアム・ヴァン・ドーンが「Tsunami」を学術用語として使うことを提案しました2)。
今回、オックスフォード英語辞典に追加されたのはオニギリ(お握り)の他に、ドンブリ(丼)、ヒバチ(火鉢)、カラアゲ(唐揚げ)、キンツギ(金継ぎ)、キリガミ(切り紙)、オコノミヤキ(お好み焼き)、タコヤキ(たこ焼き)、トンコツ(豚骨)、ヤキニク(焼肉)など新たに23の日本語由来の語が追加されました1)。
英語にもなった「おにぎり」ですが、おにぎりの歴史3)によれば、古くは717年から724年ごろ、奈良時代の常陸国風土記には「握飯(にぎりいい)」の記述があります。その後平安時代には蒸したもち米を握り固めた「屯食(とんじき)」なる携行食がありました。
さらに鎌倉時代には、兵士の食料として梅干入りのおにぎりが配られ、戦国時代には菜とコメを一緒に炊いた菜飯おにぎりが主流になりました。そして江戸時代には、おにぎりは「弁当」として重用されるようになり、浅草海苔の養殖が始まった元禄時代には海苔巻きおにぎりが発明されました。
現在では、海苔巻きおにぎりはコンビニの主力商品にまでその地位を高めています。2024年夏のオリンピックが開催されるパリでは、トマトやオリーブ、サーモン、チーズといったフランスらしい食材を使ったフランス版おにぎり「パリおにぎり」が大ブームを起こしているそうです4)。
引用・参考文献
1)https://www.tufs.ac.jp/NEWS/research/240402_1.html
2)https://eigo.plus/nichijoeikaiwa/tsunami#google_vignette
3)https://www.onigiri.or.jp/history
4)https://news.mynavi.jp/article/20231213-2838341/
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