Column 18
2018/12/10 18:02
医学部学生の頃、ロックバンドをしていました。部屋には性能が良いと信じている大きなスピーカーと、メタリック感満載の大きなアンプを揃えて、アルバムはLPレコード、レコード針はシュアー社のタイプスリーがいい、なんて言って友人達と騒いでいました。
LPレコードは直径12インチ、つまり30センチもあり、それはそれはCDよりも重たく存在感のあるものでした。買ってきた新作アルバムには、アーティストの写真から歌詞、音楽評論などが満載で、最初に聴いたときの感動や雰囲気は今でも思い出されます。
それが今や、スマートフォンに大量の楽曲がダウンロードできて、それをBluetoothで接続されたコンパクトなスピーカーから遜色ない音質と音量で聴くことが出来ます。凄いことだと思います。アップルのエアポッドで聴いていると “Siri” の声が頭の中で響きます。まるで、テレパシーのようです。
歩きスマホに、エアポッド、せわしなくすれ違う人たち。科学技術は進んだかもしれませんが、どこか “ゆとり” がないですね。最近、LPレコードの柔らかな音質と温かみを懐古する人たちが戻ってきています。学生時代のようにマイオーディオセットに電源を入れて、LPレコードをターンテーブルに載せてゆっくりと針を落としてみるのも、久しぶりに良いですね。
©️ Nozaki Women's Clinic Allrights Reserved.
Designed by HARUNO design.