Column 38
2019/10/01 18:00
“ダヴィンチ”というのは1990年代に米国で開発された手術支援ロボットの商品名で、2000年代当初には日本に2台しか導入されていませんでしたが、現在は日本に237台、世界には3803台も普及しています(2016年9月末)1)。九大産婦人科でもダヴィンチを使用した手術の練習のために、2001年8月に3名の医師が派遣されました。
訪ねた先は、テキサス大学ガルベストン校で、ヒューストンから車で南に1時間ほどの、メキシコ湾に突き出た島です。そこで豚を用いたダヴィンチ手術の練習が予定されていました。ところが、ダヴィンチの器械に不具合があり3日も4日待たされます。その間は人間のダヴィンチ手術の見学です。
ようやく、2000kn離れたミネアポリスからダヴィンチの部品が届いて、豚3匹を用いて手術の練習をすることが出来ました。1~2cmの小さな創より内視鏡カメラとロボットアームを挿入し内視鏡手術を行います。術者は3Dモニター画面を見ながらあたかも術野に手を入れているようにロボットアームを操作して手術を行います。
実際の患者への手術中のことです。カメラとロボットアームが挿入されて手術が始まったら、介助の看護師も暇になります。コックリ、コックリが始まりました。術者の指示でアームの先端を替えるときにポロリと落としました。後の器具確認でそれが無いことが問題になりましたが、看護師は「い〜や、絶対に知らない。私ではない!」。見学者の私達は何も言えませんでした。
■引用・参考文献
1)http://www.j-robo.or.jp/da-vinci/index.html
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