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ヘルスケアコラム

2025/08/01

【東洋医学編#2】「なんとなく不調」にさようなら−“女性のゆらぎ”の正体−

更年期

東洋医学

30代後半から40代の更年期に差しかかる時期になると、女性ホルモン(エストロゲン)の減少によりホルモンバランスが乱れ、イライラ、不眠、頭痛、ホットフラッシュ(のぼせ)、肩こりなどの不調が現れやすくなります1)。

これらを改善する手段として、ツボ押しや鍼灸などでホルモン分泌や自律神経のバランスを整える東洋医学的アプローチがあります2)。中でもツボ押しは、更年期症状の緩和やQOL(生活の質)向上の効果が認められている治療法です3)。

今回は、更年期の“ゆらぎ”に対して効果的とされるツボ押しの方法をわかりやすく解説します。日々のセルフケアとして、ぜひご自宅でもお試しください。

更年期の“ゆらぎ”とは?―女性ホルモン低下が招く不調

更年期とは、閉経前後の約10年間(平均的には45~55歳)を指し、日本人女性の平均閉経年齢は約50.5歳といわれています1)。

代表的な症状には、不安感、ホットフラッシュ、肩こり、頭痛、腰痛、めまい、動悸、生理不順などがあり、程度には個人差があります。また、ストレスや生活習慣の乱れが重なることで、これらの症状が悪化することも報告されています。

こうした不調におすすめのセルフケア法の一つがツボ押しです。たとえば、婦人科系のケアに効果的とされる「三陰交(さんいんこう)」は、足の内くるぶしから指4本分上のスネの内側にあり、更年期に多い冷えやホルモン低下による不調の緩和が期待できます。

実際に、三陰交への定期的な刺激によりホットフラッシュや不安感が軽減されたという研究報告もあります3)。また、適度な運動(ヨガやピラティスなど)も、ストレス軽減や血流改善を通じて更年期症状の緩和に寄与することがわかっています4)。

ツボ押しの仕組みとホルモン・血流への働き

ツボ押しは、体内の経絡(エネルギーの流れ)に沿って行われ、神経系や血管系に作用するとされています。特に更年期においては、ツボへの刺激が自律神経を整え、エストロゲンの分泌を促すと考えられています2)3)。

ある研究では、鍼灸治療によりエストロゲン(E2)が増加し、卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)が減少したとの報告があり、ホルモン補充療法(HRT)と同様の生理的反応が確認されています5)。

臨床現場でも、三陰交や百会(ひゃくえ)などのツボを継続的に刺激することで、気分の落ち着きや不眠の改善、ホットフラッシュの軽減が報告されています3)。

更年期の“ゆらぎ”を和らげる生活習慣とセルフケアのコツ

更年期の“ゆらぎ”を和らげるには、毎日の生活習慣を少し見直すことも大切です。以下のポイントを参考に、ご自分に合ったセルフケアを始めてみてください。

1.質のよい睡眠をとる

夜しっかり眠ることで、自律神経が整い、心も体も回復します。寝る前のスマホやカフェインは避け、ぬるめのお風呂やリラックスできる音楽などで、眠りやすい環境を整えましょう。

2.栄養バランスの取れた食事

エストロゲンが減ることで骨や肌の状態が変わりやすくなるため、大豆製品(イソフラボン)、カルシウム、ビタミンDなどを意識して摂りましょう。規則正しい食事が、ホルモンや代謝のバランスを支えます。

3.ストレスを溜めない

仕事や家庭の中で知らず知らずのうちに溜まってしまうストレスは、更年期の症状を強めてしまうことがあります。深呼吸やお気に入りの音楽、散歩や趣味の時間など、自分なりのリラックス法を見つけましょう。

4.無理のない運動を習慣に

軽いウォーキングやヨガ、ピラティスは、血流を促し、自律神経やホルモンバランスを整えるのに効果的です。1日10分のストレッチでもOK。大切なのは「続けられること」です。

5.ツボ押し

三陰交(さんいんこう)や百会(ひゃくえ)など、更年期症状の緩和に役立つツボを、1日1分でもゆっくり押してみてください。「痛気持ちいい」くらいの力加減で、リラックスしながら続けるのがコツです。

6.頑張りすぎず、助けを借りることも大切

日々の体調がつらいときは、無理をせず、婦人科や専門家に相談するのも大切なセルフケアのひとつです。「休むこと」「頼ること」も、ご自身をいたわる大事な選択肢です。

更年期女性におすすめのツボと刺激方法

以下は、更年期の不調に効果が期待される代表的なツボとその押し方です。

三陰交(さんいんこう)

場所:足の内くるぶしから指4本分上のスネの内側
効果:女性ホルモンのバランス調整、冷え、ホットフラッシュ、血流促進

百会(ひゃくえ)

場所:頭頂部の中心よりやや前方
効果:自律神経の安定、頭痛、不眠、イライラの改善

太渓(たいけい)

場所:内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ
効果:足の冷え、のぼせ、全身の血行促進

押し方のコツ

まとめ

更年期の心身の不調に対して、東洋医学的アプローチの1つであるツボ押しは手軽に始められるセルフケアの一つです。ホルモンバランスの崩れや自律神経の乱れをやさしく整え、肩こりや不眠、イライラなどさまざまな症状を和らげる効果が期待できます。

もしお悩みがなかなか改善しない場合や、いつもと違う強い症状がある場合には、早めに婦人科を受診しましょう。健康の維持には、セルフケアと専門家による適切なアドバイスが欠かせません。福岡市中央区天神にある野崎ウイメンズクリニックさんでは、経験豊富な先生が丁寧に相談に乗ってくれます。ぜひ、気軽に足を運んでみてください!

引用・参考文献
1)https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/menopause.html
2)https://www.ejim.mhlw.go.jp/public/index.html
3)Borud EK,Alræk T,White A,Fønnebø V,Grønseth B,Skoglund L.The Acuflash Study: a randomized controlled trial of acupuncture and self-care for menopausal hot flushes. Menopause. 2007 Mar-Apr;14(2):226–33.
4)Boehm K,Ostermann T.Effects of yoga interventions on menopausal symptoms—a systematic review. Maturitas. 2011;70(3):227–231.
5)Liu et al.The influence of acupuncture on hormone levels in perimenopausal women;2018.
https://www.sennenq.co.jp/knowledge/tsubo/
https://acu-mode.com/
坂元 大海,原島 広至.ツボ単-経穴取穴法・経穴名由来解説・ユ穴単語集.エヌ・ティー・エス;2011.

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この記事を書いた人

坂元 大海

坂元 大海

アークメディカルジャパン 代表取締役 理学療法士・鍼灸師・柔道整復師

整形外科での10年間の実務経験の後、アメリカ(UNLV)にてピラティスマスターライセンスを取得。治療実績は延べ10万人超。アークメディカルジャパン設立後は、鍼灸整骨院およびピラティススタジオの運営に加え、プロスポーツ選手や俳優といったアスリートのケア、講演や書籍の執筆を通じた後進の育成にも精力的に取り組んでいる。経営学修士(MBA)|近著『ツボ単(NTS)』『骨肉腱え問(NTS)』『ヤセル言葉(Lotus8)』

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