「産｣ ｢婦」人科

当院は婦人科クリニックです。産婦人科の「産」は取り扱っていません。妊娠初期で正常妊娠が確認されたら、安全に「出産」を行うことができる周産期医療を行っている医療施設へ紹介します。例え妊娠初期であっても、出血や流産に至る腹痛など休日や夜間の対応が出来る施設での健診が必要です。

お「産」は病気ではありませんので、健康保険外です。そのかわり「おめでたい」ことですから、健康保険からは「出産祝い金」「出産手当」などの名目で支給されます。東京の日赤医療センターでは、お「産」をする産科は「病気」ではないので、産科「病棟」ではなく、「周産母子ユニット」と呼ばれています。¹⁾

産科と婦人科が関係する学会には、従来より日本産科婦人科学会がありますが、思春期から老年期まで女性の健康を一生にわたって総合的に診ていくことを念頭に置いた日本女性医学学会も、2011年に（旧）日本更年期医学会から発展的に名称変更して現在に至っています。^2）

思春期に月経不順のために低骨量だった女性が老年期に骨粗鬆症で骨折したり、妊娠中の低栄養状態が胎児に影響を及ぼして将来の生活習慣病を発症したりと、産科と婦人科は女性の一生涯にわたる健康管理において密接に連携し合うことで非常に重要な役割を担っているのです。

■引用・参考文献
1）http://www.med.jrc.or.jp/hospital/hosptal/tabid/305/Default.aspx
2）http://www.jmwh.jp/n-aisatu.html

この記事を書いた人

野崎 雅裕野崎ウイメンズクリニック 院長

福岡市天神の産婦人科、野崎ウイメンズクリニックの院長。女性医学の専門医として、九州大学病院などにおいて、思春期から更年期女性のホルモン療法や不妊治療、漢方療法、月経痛や女性のこころとからだの悩みに関する医療に長年従事。ホルモン療法やピルの使い方、月経痛の対処法や月経移動の説明にも精通した熟練スタッフとともに、すべての患者様へあたたかいケアを行っている。

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