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Column 10

2018/12/04 18:00

カーテンを開けてクダサイ

産婦人科には内診台があります。最近は座ったイスが電動で回転して、診察の体勢になるように動く内診台がほとんどです。慣れていない女性は最初はビックリしますし、ご高齢の女性になると転落したりしないように看護師が介助します。この内診台には、内側と外側を仕切るカーテンがあります。

日本人女性の診察ではこのカーテンを閉めるのが普通ですが、外国の女性、特に欧米人女性は、「カーテンを開けてクダサイ」とカーテンで閉め切られることを嫌がります。自分から見えないところで、何か知らない、何か分からない診療行為が行われているようで、不信感や違和感があるようです。

カーテンを開けて顔を見ながら診察をすることには、診察する側も最初は戸惑いやら恥ずかしさやら、落ち着かないこともありました。何年も何十年もたった今では、かえってカーテンで仕切ることに違和感を覚えることもあります。米国での診察は個室で全裸でしたから、彼我の違いがあります。

カーテンを隔てて診察をするには、会話が完全に成立していて、尚且つ、意思の疎通が充分に行われていなければなりません。日本語の会話に問題がない日本人同士ならば、カーテン越しの診察でもいいでしょうが、私のつたない英語ならば、顔を見ながらの診察の方がはるかに正確でしょう。

この記事を書いた人

野崎 雅裕
野崎 雅裕野崎ウイメンズクリニック 院長
福岡市天神の産婦人科、野崎ウイメンズクリニックの院長。女性医学の専門医として、九州大学病院などにおいて、思春期から更年期女性のホルモン療法や不妊治療、漢方療法、月経痛や女性のこころとからだの悩みに関する医療に長年従事。ホルモン療法やピルの使い方、月経痛の対処法や月経移動の説明にも精通した熟練スタッフとともに、すべての患者様へあたたかいケアを行っている。
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